浜辺を歩くのが好きな化学者がいる。潮の匂い、海の色。けれど彼にはどうしても見過ごせないものがあった。砂の上に散らばるプラスチックごみ——水のボトル、ビニール袋の破片、布きれ、日用品のかけら。なかでも気にかかったのが、打ち上げられた漁網だった。 Image by Dimitris Vetsikas from Pixabay 誰も獲物を取りに来ない網 捨てられた漁網は「ゴーストネット」と呼ばれる。チュラロンコン大学石油石油化学カレッジのナッタポン・リサングッド博士は、その名の由来をこう説明する。幽霊のように、 ...