南太平洋に散らばるクック諸島には、「ラウイ(ra'ui)」と呼ばれる古い知恵がある。海や陸のある区域を定め、そこでの漁や採取を一定期間とめる——いわば、自然に「触れない時間」を贈るしくみだ。禁じられた区域はタプ(神聖で侵してはならないもの)となり、魚やサンゴが静かに息を吹き返すのを、人々はじっと待つ。獲ることより、待つこと。その引き算の発想が、今あらためて島々の海をよみがえらせている。 守ってから、いただく ラウイは、ポリネシアに古くから伝わる資源管理のかたちだ。クック諸島では、最高位の首長や伝統的な指導 ...