1980年代のニジェール南部。干ばつが続き、飢饉が人々を襲っていた。畑は砂に埋もれ、木はほとんど残っていない。援助機関が苗木を植えても、たいてい枯れた。 そのころ、農民たちはあることに気づいていた。出稼ぎに出ている家の畑のほうが、よく実る。 手を抜いた畑が、なぜ実るのか 理由は、はじめ誰にも分からなかった。 出稼ぎに行く人は、畑を掃除している時間がない。地面から出てくる細い芽を、いちいち刈り取らずに残していた。ふつうなら雑草として抜くものである。ところが、その芽を残した畑のほうが、丁寧に整えた畑よりも作物 ...