ある国について、世界がどれだけのことを知っているか。それは、その国について誰かが書いたかどうかで決まる。 リビアには、ローマ、ギリシャ、フェニキア、ビザンツの遺跡が積み重なっている。アラブ、アマジグ(ベルベル)、トゥアレグの文化が並んで生きている。ところがインターネット上でリビアについて読める記述は、その厚みをまるで映していない。遺跡も、地形も、民俗も、文化やスポーツの記録も、大きく欠けたままだ。 2026年の春、ベンガジの図書館に数人が集まった。誰かが書いてくれるのを待つのをやめるために。 179人が手 ...