キルギス南西部のバトケン州。中央アジアの肥沃なフェルガナ盆地に位置するこの地域は、歴史的にキルギス・タジク・ウズベクなど複数の民族が混じり合って暮らしてきた多民族地帯です。ソ連時代に引かれた国境線は、しばしば民族の居住地を縦に切るかたちで定められ、家族や親戚が国境をまたいで暮らす光景も日常でした。村と村のあいだに走る道は同時に水と耕地を分け合う線でもあり、その分配をめぐる小さな緊張は、長い年月のあいだ静かに積み重なってきました。 中央アジア、キルギスとタジキスタンの国境に近い小さな村があります。その村には ...